なぜ本を読む必要があるのか?

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「なぜ本を読む必要があるの?」

そう子供に聞かれたら、何と答えれば良いのでしょう。

「いっぱい勉強するためだよ」「色々な知識を身につけるためだよ」
そのような答えしかできませんでしたが、、最近YouTubeで、ある学者の先生の意見に触れました。

こちらの橋爪大三郎先生は、社会学の大家の先生で、多くの著書を出されてらっしゃいます。
こちらは、その著書の紹介動画になるのですが、「なぜ本を読まなければいけないのか」という問いに、

「今までの本に書いてないことを探すため」

とおっしゃっています。
※本当はもっと詳しく説明しているのですが、ここでは割愛します。

確かに、私が本の原稿を書いたり、専門紙に原稿を書くときは、税理士を含め、他分野の本を読んで、他の本に書いてないことを、無意識に探しています。
すでに書かれていることをそのまま書いても、私や読者の方々にとって、勉強にはならないでしょう。

ではどうすれば、今までの本に書かれていないこと(面白いこと、ためになること)を書けるのでしょうか。
それは

「自分の専門分野以外の書籍を読む」

ということになるでしょう。

※最近読んだ本で、お薦めの本を撮影してみました。

他士業の分野でお薦めの本

最近、「税理士こそ他士業の本を読むべき」と感じています。

税理士は中小企業の顧問という立場で、継続的にお客様とお会いします。
その会社の資産状況や、社長様の懐具合を知っています。
ここが、他の士業と決定的に違うところです。

また、相続についても同じです。
その相続人の資産状況、家族構成、社会保険の加入状況など、全てを知ることになります。

なので、税理士が税務以外のことを勉強してアドバイスできれば、お客様に貢献出来ると思います。

ただ、ためになる本(実務経験や、筆者の独自見解が多く書かれている本)って、とても少ないんですよね。
専門書は高いですから、良い本だけを買いたいものです。

その中で、私が最近買って「これはためになったなあ~」と思った本をいくつか紹介してみたいと思います。

この本は、 ベテランの弁護士先生達が、若手弁護士からの実務相談に答える、という形式の本です。

 Q&Aが374問もあり、税理士業務に関係ない部分も含まれているのですが、半分ぐらいの内容が、税理士業務と関連しています。

例えば、相続の遺産分割、不動産の土地調査の方法、さらには離婚手続きについて、実務上の問題とその解決方法がまとめられています。

これを読んでおくと、「あ!お客様からいただいた質問は、この本の何ページあたりに書いてあったな~。そうすると、この問題は早めに弁護士先生に相談した方がいいんだな」ということがわかります。

先ほど挙げた書籍(374問)の続編になります。

こちらは主に、企業法務について触れられています。

例えば、「問題社員にどう対処すれば良いのか」「社内の情報漏洩にどう対応すれば良いのか」「早期退職を募集したら思った以上に応募が来てしまった」などなど。

中小企業の顧問を多くされている税理士先生は、会社内でどのような問題があるのか、問題が起きた時にどう対処すれば良いのか、この本を読んで概要を掴んでおいた方がいいと思います。

税理士に「供託」と言っても、ピンとこない人が多いと思います。

供託には色々な種類がありますが、税理士がよく接するのが

「家賃・地代の値上げ交渉でトラブルとなり、貸主が受け取らないと言っているので、借主が法務局に供託する」

というケースではないでしょうか。

不動産オーナーの税務申告をしていると、たまに、賃借人から家賃が供託されることがあります。
また、逆のパターンで、顧問先が店舗を借りていて(賃借人で)、大家さんから値上げ交渉を受け、「値上げを了承するまで家賃を受け取りません」と言われてしまった場合も、供託の必要があるでしょう。

供託の手続き自体は、そんなに難しくありません。
ただ、順番や手順を間違えてしまうと、取り返しのつかない事態になりかねません。

そのため、不動産オーナーを多く担当している税理士は、この本を読んで、 供託の仕組みを一通り学んでおいたほうがいいと思います。

借地借家法を詳しく知りたいのなら、この本をお勧めします。

こちらの本も4訂版となり、借地借家法を勉強する人にとって、教科書的な存在になりつつあります。

判例が多数収録されており、 その解説もとてもわかりやすいです。

この本には、 あるベテラン司法書士先生が、実務で悩まれたこと、危ないと思ったこと、それらが赤裸々に書かれています。

税理士のほとんどは、司法書士先生とお付き合いがあることでしょう。
ただ、 司法書士の仕事の重大さ、責任について、どれほど理解しているのでしょうか。

不動産を売買する際は、名義変更のため、法務局に登記申請をします。
この時、司法書士先生にお願いするのですが、世の中には悪い人がいて、不動産の所有者になりすまして売買を行う輩(俗にいう「地面師」)なんて人もいます。

司法書士は、決済(売買契約+代金決済)までに、本人かどうかを見抜き、怪しい取引であれば、売主に中止をアドバイスする必要があります。

わずか数万円から数十万円の報酬で、それらを見抜かなければならないのです。

そう考えると、 司法書士の先生の仕事って、 すごく大変に思えてきませんか?

この本は自費出版で出されたそうですが、士業の苦しみ、悩みが詰まっています。
税理士も読んでおくべきでしょう。

この本の著者の先生は、臨床心理士とのことですが、元弁護士でもあるそうです。

弁護士先生は、日々ストレスにさらされています。
そのストレスの中でも、「依頼者が難しい人であった場合」は、特にストレスが溜まるそうです(T-T)
※ これは税理士でも同じですよね。

難しい依頼者であるかどうかの判断は、「初回の相談時」と「実際の業務を進めていく過程」とに分かれると思います。

初回の相談時に「ちゃんとした人だな」 と思っても、実際に業務を進めていくと、「あの人、おかしいな」と感じることが多々あります。

この違和感を、架空の事例を挙げて、類型別に分けて分析しているのが興味深いです。

ただ本当は、「初回の相談時」に、全力で判断すべきなんですよね。
服装、 話し方、話してる内容に嘘はないか、などなど。
経験を積めば、 判断の精度は上がっていくのでしょうが、数年程度の経験ではなかなか見つけられないでしょう。
※これは弁護士だけでなく、他の士業も同じだと思います。

紹介者が良い方だからといって、相談者が良い方とは限りません。
自分との相性もありますし。

ただ、 弁護士先生は、紛争の真っただ中に入るわけですから、本当に大変だと思います。この本を読むと、弁護士先生のストレスが実感できると思います。

※八重洲ブックセンター前にて。

良書紹介(番外編)

5月3日は憲法記念日となりますが、普段生活していると、「憲法って何だろう?」と疑問に感じることがあります。

ウクライナ問題などで、憲法改正が取り上げられていますが、そもそも憲法って何で必要なんだろう、と疑問に思っていました。

そんな中、 あるYouTube動画で、この本が取り上げられていたのです。

小室直樹先生は、「在野の天才」だそうです。

私は以前、小室直樹先生の別の著書を拝読したことがありますが、こちらの本は本当に分かりやすいです。

なぜ憲法が作られることになったのかを、過去の西洋史と宗教史に基づいて、わかりやすく解説しています。

護憲や改憲を唱える前に、まずこの本を通読することをお勧めします。

※八重洲ブックセンターで娘と。絵本をたくさん買いました。

本が好きなら子育ての9割は成功

いま、事務所を手伝ってくれている事務員さん(40歳代の女性)がいます。

その事務員さんも、他のお母さんから聞いたらしいのですが、

「本好きな子供になったら、子育ての9割は成功」

だそうです(^^ )

確かに、そうなんでしょうね。
本が好きになれば、自分で何でも調べられますし。

ただ、問題はどうやれば本が好きになってくれるかです。

上の娘(長女:もうすぐ4歳)がいるので、絵本を買って、寝る前に読み聞かせをしていますが、こうすることで、本を好きになってくれるのでしょうか?

結果は数年後にでますが、少なくとも、ひらがなの覚えは、他のお子さんよりも早いかもしれません(^^ )

私も娘に負けないよう、もっともっと本を読んで勉強していきたいと思います。

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