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相続税の資料は、どうやって集めるのが効率的か?

相続税の資料を集めるためには、色々な役所を回る必要があります。
どうやって、効率的に資料を集めるのか、少し考えてみました。

※某区役所のエントランスにて。

相続税計算のために役所を回る場合とは?

相続税を計算する際には、次のような資料が必要となります。

これ以外にも、様々な資が必要となる場合があります。

資料を取り寄せる方法は、「郵送」「ネット」「役所に直接取りに行く」の3つがあると思いますが、それぞれ一長一短あります。

郵送で取り寄せるのが良い資料とは?

郵送で取り寄せるメリットは、なんと言っても時間の短縮です。

役所に行く場合、

という、余計な時間がかかります。

ですので、取り寄せる資料が分かっている場合は、郵送で取り寄せる方が良いでしょう。
例えば、固定資産の評価証明や、(既に手元にコピーがあり、どの部分を取り寄せるか分かっている)戸籍謄本は、郵送で取り寄せると良いでしょう。

ですが、郵送での取り寄せは、申請書の記入、行き帰りの封筒の手配が必要ですから、近い役所から取り寄せるには、かえって手間と時間がかかるかもしれません。

私の経験上、都内に事務所があり、事務所からその役所まで移動時間が片道30分程度であれば、直接取りに行った方が良いといえるでしょう。

ネットで取り寄せた方が良い資料とは?

ご存じの方も多いと思いますが、現在は、ネットで色々な資料を取り寄せることができます。

(1)登記情報提供サービス

不動産を評価をする場合、まずはその土地建物が誰の持ち物か(本当に被相続人の持ち物か)を確認するため、登記簿謄本を取り寄せる必要があります。

以前は、法務局から土地建物の登記簿謄本を取り寄せる必要がありましたが、現在は、次のようなサービスを使うのが主流です。

「登記情報提供サービス」

こちらのサービスは、法務局に登録されている登記データと同じものを、PDFでダウンロードできるサービスです。

1件当たり300円~500円程度かかりますが、取り寄せる時間を考えれば安いものです。

また、登記簿謄本以外にも、公図や測量図(法務局に登録されている分のみ)も取り寄せることができるので、有効活用した方が良いと思います。

さらには、最近追加されたサービスとして、住宅地図を見ながら地番検索(住居表示と地番表示の両方が掲載されている地図から、地番検索できます)があります。
まさに、至れり尽くせりになりました。

(2)ゼンリン住宅地図プリント

相続税の計算をする際は、住宅地図を確認する必要があります。

例えば、亡くなった鈴木さんが持っていた土地建物を評価する場合、本当に鈴木さんがその土地建物に住んでいたか、確認する必要がありますが、住宅地図を見れば、住んでいる人の名字が分かります。

また、土地の大まかな形や、だいたいの場所も分かり、近隣にある減額要因(墓地等)の確認もできます。

ですので、住宅地図の確認が必要といえます。

住宅地図というと、以前は、国会図書館の地図室に行って、コピーを取りに行く必要がありましたが、今は、以下のようなネットサービスがあります。

「ゼンリン住宅地図プリントサービス」

こちらのサービスは、ネットで地図の位置を指定して、最寄りのセブンイレブンのコピー機でで住宅地図を印刷することができます。

1枚300円で、詳細な地図を、すぐに印刷できるのでオススメです。

※国会図書館のブルーマップの方が、容積率の確認ができるので、本当はそちらをとりたいところではあります。ですが、最近は、各自治体のホームページで容積率を確認できるので、セブンイレブンで取り寄せる方法が良いのではないかと思っています。

役所に直接取りに行った方が良い資料とは?

役所に直接取りに行った方が良い資料とは、役所の人間に直接確認が必要な資料です。

最たる例が、戸籍謄本(被相続人の出生から死亡まで)です。

※税理士は、お客様からの委任があれば、代理人として戸籍謄本を取り寄せることができます。

相続税の申告書には、戸籍謄本を添付することになっています。
この戸籍謄本ですが、「被相続人の出生から死亡まで」となっていますので、被相続人の現在戸籍(つまり一番新しい戸籍)から、順に古い戸籍を、確認しながら取り寄せることになります。

被相続人が結婚等で新しい戸籍が作られている場合、以前は別の役所の戸籍に入っていた可能性がありますので、その場合は、また別の役所への戸籍の取り寄せが必要となります。

この戸籍。
郵送だけで全て取り寄せることも出来るのですが、色々な心配があります。
特に、古い戸籍であれば、旧字体(手書きの古い漢字)で書かれているので、我々には読めないことがあります。
ですから、役所が比較的近い場合は、戸籍については、直接取りに行き、その場で役所の人間に内容を確認するようにしています。

これは戸籍の専門家である司法書士の先生も、そうおっしゃっていました。
「石橋先生~。ボクも都内であれば、直接、戸籍を取りにいっちゃいますよね~。」と。

また、直接確認が必要な資料として、土地・建物関係の資料があります。

道路台帳や容積率も、ネットで調べられる時代になりましたが、それでも、微妙な部分(どこまでセットバックとなるのか、容積率境はどこか)は、やはり役所の方に直接聞かないと分かりません。

ですので、まずは、郵送とネットとで取れる資料を全て取り、その後で役所に行くのが効率的な方法といえます。

ちなみに、役所に行く場合には、未読の税務雑誌や税務書籍を持って行って、待ち時間を有効に使うと良いでしょう。

※某区役所の待合室にて。

役所へは、午前に行くべきか?午後に行くべきか?

役所へは、どの時間帯に行くのが良いのでしょうか?

まずは、グーグルマップで、上記のように回る予定の役所を保存しましょう。
※保存すると、地図上に星印がつきます。

そして、回る順番を考えましょう。

ちなみに、私の経験上、役所の混み具合はこんな漢字です。

午前中に回る際のメリットですが、「どの窓口も空いている」と言うことにあります。
役所は午前8:30から空いていますから、最初に回る役所に8:30ピッタリに着くと時間を有効に使えます。

ですので、午前中に回りたいところではありますが、(午前は電話対応、お客様対応があるので)午後に回るという方もいるでしょう。
この場合は、どの窓口も混んでいることが想定されますので、(役所を回りきれないことも考えて)一番欲しい資料がある役所を重点的に回るようにしましょう。

なお、役所への移動方法は、電車・タクシーがあります。
区役所や都税事務所は、どこも比較的、駅に近いことが多いため、携帯アプリ等で電車の乗り継ぎを調べて行った方が早いと思います。
ですが、法務局は、何故か駅から遠い場所が多いため、その場合は躊躇なくタクシーを使った方が良いと言えます。

相続税を計算する際は、上記以外にも、色々な資料が必要となります。
相続税のやっかいなところは、税理士事務所の職員さんに、
「あの資料を、あの役所に取りに行ってきて」
と、気軽に言えないところにあります。

というのも、役所から発行された資料をその場で見て、
「あれ?この資料、なんでこうなっているんですか?細かい部分を教えてください」
と言うふうに、質問することが多いからなんですね。
※ですので、ある程度の相続税の知識がないと、難しい資料を取り寄せることができない、と言えます。

税理士本人が回る場合は、できるだけ短時間に、かつ、本当に必要な資料だけ役所に取りに行くようにする。
これが、効率化への第一歩だと思います。

どんな仕事でも効率化は大切です。
日々、意識して取り組んでみましょう。

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