江戸の敵を長崎で討つ

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他人に、(必要以上に)親切にし過ぎることはありません。
普通に接すれば良いのです。

ですが、普通に接していないと、最終的には自分が困ることになるかもしれません。

※音楽教室の帰り道。東京駅八重洲口にて。

先人のことわざに学ぶ

「江戸の敵(かたき)を長崎で討つ」ということわざがあります。

これには、つぎのような意味があるとされています。

  • 他人から恨みを買ったら、いつかは仕返しされる
  • 他人に意地悪をすると、いつかは自分に返ってくる

最近は、後者の意味で使うことが多いでしょうか。
似たようなことわざで、「因果応報(いんがおうほう)」ということわざもあります。

私たちは、他人に意地悪をしていないか?
たまに、振り返る必要があるのではないでしょうか。

「江戸の敵を長崎で討った」お話し

数年前に、こんなことがありました。

土地を複数お持ちのお客様が、境界の立ち会いをされたときのお話しです。

境界の立ち会いとは、地続きであるAさんの土地とBさんの土地との境界を確認することをいいます。

AさんとBさんが、土地家屋調査士の先生の立ち会いのもと、

「この土地の境界線は、この杭がささっているところで、お間違いないですよね?」

と確認し、AさんBさんの両者が確認書に実印を押します。

この境界確認ができていないと、土地を貸したり売ったりするときに困ることになります。
ですので、AさんとBさんが元気なうちに境界確認の立ち会いをすませることが大切です。

このような境界確認の立ち会いは、普通は、お隣さん同士ですし、境界を示す杭も既にささっているはずなので、土地家屋調査士先生のお話のもと、確認書にAさんBさんが実印を押して、円満に終わることが多いです。

というのも、Aさんがその土地を売りたいと言うことで境界確認を希望したとしても、原則として、Bさんの不利益にはならないからです。
※将来、Bさんが売ったり貸したりするときにも、境界確認が必要になってくるため。ただし、自分の土地の狭い、と主張して揉めている場合は別です。

ですので「お互い様」ということで、普通は、Aさんが境界確認の立ち会いをお願いすれば、Bさんは協力してくれます。

ですが、そのように行かない場合もあるんです。

例えば、AさんがBさんに、

「土地の境界確認に立ち会って頂けませんか?立ち会いが終わったら、お手数ですが、その確認書に実印を頂きたいのですが・・・」
とお願いしたとします。
※実務上は、土地家屋調査士の先生が、Aさんの代わりにBさんにお願いにいきます。

ですが、高齢のBさんとその息子さんが、こんなことをいったらどうでしょう?

「ウチはあなた(Aさん)に、今まで、さんざん文句を言われてきたんだ!そんなことに協力する筋合いはないよ。とっとと帰ってくれ!」

私が聞いた限り、AさんはBさんに文句を言ったとか、意地悪をしたとか、そんなことはないようなんですが・・・。

Aさんは困ってしまいました。

神様は見ている?

それから数年後。
Bさんが亡くなりました。

Bさんが亡くなってから、数ヶ月後。
Bさんの息子さんから、仲介に入っている不動産屋さんを通じて、Aさんに連絡があったそうです。

不動産屋さんは、その経緯を知っているので、笑いをこらえながら、Aさんに電話してきたそうです。
「Aさん。Bさんの息子が、Bさんから相続した土地を売りたいから、境界確認の立ち会いをして欲しいと言ってきたよ!やったねぇー(^^ )」
※ここでの「やったねぇ~」は、やりかえしてやって、痛快だね!という意味です。

Aさんは出来た人なので、快く境界確認に応じてあげたそうです。

ところで、Bさんの息子さんは、そんなキツイ言葉でAさんを追い返したのに、どんな言葉で不動産屋さんで電話してきたのでしょうか?
そのことを聞きますと、Bさんは、つぎのような切り出しで、電話してきたそうです。

「もう、私(Bさんの息子)とAさんは、お隣同士で、以前からお友達なんだから、これからも仲良くしましょう!」

これをお客様から聞いたとき、私もお客様も、
思わず吹き出してしまいました(^^)/

お客様から学んだこと

この話しの後、私がお客様に、

「やはり、他人には普段から親切にしないといけませんね」

とお話ししたところ、お客様は、こうおっしゃいました。

「石橋さん。別に、親切にすることはないんですよ。普通に接すればいいんです。普通に。」

なるほど、と思いました。
私の仕事のポリシーは「お客様のお役に立つために頑張る」ということです。

これを私生活でもできればと思い、日々心掛けておりますが、そうするとかなり気疲れしてしまいます。
お客様のお言葉「他人には普通に接すればいいんですよ」ということは、目から鱗でした。

ですが、これだけは言えると思います。

「神様は見ている」と。

成長し、収入が増えると、他人に対して傲慢になってしまうかもしれません。
他人に対して、意地悪をしていないか?
たまに、振り返ってみるといいかもしれませんね。

あるレストランで、ミニサンタさんの衣装が飾ってありました。

神様は見ているといっても、八百万の神様達なのか、キリスト教の神様なのか(正確には、イエスキリスト様は神様ではないという説や、三位一体説の考え方もありますが)、仏教の神様(仏様)なのか、神様は人によって違うので、ちょっと分からない部分がありますが・・・。

今日も張り切っていきましょう!

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