(出版予定)単著出版までの道のり

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2021年7月下旬現在、初の単著をだすための校閲作業をしています。

・書名「不動産関係の相続の手続(仮称です)」
・出版社「日本法令」
・ページ数「ワードA4換算で約350頁(約25万字)」
・発刊予定日「2021年9月下旬~10月下旬頃」

まだ発売されていませんが、編集者様が「少しずつ告知をしてみてはどうですか?」とのことでしたので、ここで(細々と)告知させて頂きました。

これから、「単著を出したい」「執筆してみたい」と思われる方は、参考にしていて頂ければと思います。

※初校のゲラ。文量が多いためチェックするのが大変です。

編集者様から声をかけて頂くためには?

税理士をはじめとした士業(弁護士・司法書士・社労士等)の方々にとって「出版」は一つの目標です。

かくいう私も、執筆(専門誌への寄稿、書籍の出版)をしたいと、かねがね思っていたのですが、どうすればいいのかわかりません。

例えば、小説であれば、

  • 色々な賞に応募する
  • 出版社に持ち込む

といった方法が考えられますが、税理士はどうすればよいのでしょうか?

色々と悩んだ結果、3年ほど前になりますが、ある税理士先生に相談することにしました。
それは、一部税理士のなかで有名な、あの「井ノ上先生」です。

※丸の内にて。

先人に教えを請う

井ノ上先生は既に十数冊以上、書籍を発刊されていらっしゃいます。

その井ノ上先生が「個別コンサルティング」なるサービスをされており、そちらに申し込んで

「専門誌へ執筆したり、単著を出版したりするために、どうしたら良いのでしょうか?」

と相談してみました。

色々とアドバイスいただきましたが、要約すると次のようなものになります。

  1. 内容のある記事をブログ(ホームページ)に書き続けること
  2. 編集者に売り込みはしないこと(書き続けて声がかかるのを待つこと)
  3. ブログ(ホームページ)に「執筆を受け付けている旨」を記載すること

特に、井ノ上先生に言われたのが「1」と「3」です。
井ノ上先生いわく、

「編集者は常に執筆できる専門家を探しています。ただ、誰でもいいというわけではなく、内容のある記事を、わかりやすく書ける専門家を探しているのです。編集者は常に専門家のホームページを見ていますから、目に留まるように、いい記事を地道に書き続けるのです。大変ですが頑張りましょう!」

※飯田橋にて。

編集者はホームページ(ブログ)を常に見ている

意識してブログを書き続けて約1年が経過したところ、税務研究会の専門誌(税務 QA)の 編集者の方から、ブログのお問い合わせフォームに、次のようなメッセージをいただきました。

「現在、当社では、広く執筆できる方を探しております。石橋先生のブログを楽しく拝見いたしまして、ちょっとお会いして、お話を伺いしたくご連絡した次第です。」

書き続けて約1年で、出版社の方からお問い合わせをいただいたということになります。
いや~時間がかかりました(^^♪

ですが、このお問い合わせいただいてから 、約1ヶ月後に同様のお問い合わせを、日本法令の編集者様から頂いたのです。
※それが今回の書籍の出版に繋がりました。

さらには(名前は言えませんが)他の出版社様からも、出版のお誘いいただきました。
※ただ、こちらは「できるだけ売れる本を書いてもらいたい」というお願いでした。私は「税理士を含めた専門家向けに書きたい」という希望がありましたので、残念ながらお断りすることになりました。

ですから、きちんと努力を続けれは、執筆や出版の依頼というのは来ると思います。

企画会議(出版会議)が通らないと出版できない

ところで、本を出版するためには、編集者様に「このような本を出版したい」という案(企画)を出し、その案が、出版社の企画会議で認められる必要があります。

「日本法令」様の場合、数名~十数名の編集者様が、定期的に、それぞれが持ち寄った企画案(税理士向けだけでなく、弁護士・社労士向けのものを含む)を発表し、意見を言い合うそうです。
そこで認められなければ、出版することはできません。

私の場合、とりあえず2つの案を出しました。
そして、編集者様から「A案、B案のどちらの案が書きやすいですか?」と言われたので、「A案が書きやすいですが、 B案でもかけます」と返答しました。

私は、その時すでに「税務研究会」様の専門誌(税務QA)で執筆を開始していましたので(半年間の連載)、その専門誌を事前に編集者様にお送りしておきました。
そして、企画会議の時に、皆様に、その専門誌にもお目通しいただき、それがプラスに働いたのか、無事に出版OKのお話をいただきました。

企画を出し、企画会議で認められなければいけない。
これは勉強になりました。
既に何冊も出版している方であれば、実績があるので認められやすいのでしょうが、実績がない私にとっては、企画案がキモになります。
無事に認められて良かったです。

※大手町にて。

原稿執筆には色々と障害がある

無事に出版が決まったら、原稿を一生懸命書く必要があります。
ですが、 税理士には様々な障害?が待ち受けています。

  • 毎月の決算作業
  • 年末調整
  • 確定申告
  • 子供との触れあい(^^ )

私はこれに加えて(今だから言えますが)「税務研究会」様の原稿が結構負担になっていました。

2019年11月号から2021年4月号まで(6月)の分に加えて、2020年8月号、更には2021年9月号(予定:特集記事なのでワードA4で約40頁)と言った具合に、不定期で執筆していたのです。
※さらには、妻の病気もありました。

そんなこんなで、出版が決まってから、最初の原稿完成まで、約1年2ヵ月が経過してしまいました(T-T)

※編集者様には本当にご迷惑おかけしております・・・。

※娘(3歳)と、萩の月を買いに行きました。

実務を通じて自分の得意分野を見つける

今度出版する書籍の「はじめに」にも書いたのですが、私は一定規模以上の地主・不動産オーナー様の相続手続きを、何度も経験する機会に恵まれました。

そこで、色々な経験をし、税理士以外の他分野の勉強もすることで、少しだけではありますが、この分野に詳しくなったと思います。

私の知り合いの、ある弁護士先生は言っていました。

「よく専門性っていいますけど、それは実務をたくさんしてからの話しで、最初から自分で専門を選んでいけないと思うんですよね。実務を数多く経験し、そのなかで、自分の得意分野が見つかるんだと思いますよ」

開業してから10年。本当にいろんなことをしました。

  • 初歩の組織再編の申告書作成(今はやっておりません)
  • 医療法人の税務顧問
  • 数多くの解散申告

それらをやってみて、「ああ、自分にはあまり合わないなあ」と実感し、徐々に自分の仕事の範囲を狭めていく。そういうことが大切です。
最初から「俺はこれしかやらない」「私はこれしかやらない」としてしまうと、自分自身の成長にもつながりません。

独立当初は何でもやってみる、 そのような姿勢が大切だと思います。

そして、 開業してから数年経ち、自分の得意分野がある程度確立できてきたら、それを発信してみる(ブログやホームページに書いてみる)と良いと思います。
※守秘義務に配慮して書く必要がありますが。

そうすると、編集者様の目にとまり、執筆や出版に繋がるのではないでしょうか。
※編集者様は「この先生、実務で色々経験してるな」「教科書通りに書いてるから、あんまり実務経験してないんじゃないか」ということを、記事や実際の面談で見抜きます。ですから、自分の経験した、独自の視点で書くことが大切です。

この記事が、執筆や出版を目指している方のお役に立てば幸いです。
地道に頑張りましょう!

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