雪国から考える、東京の競争社会

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東京で暮らしていると、この日常が、当たり前に感じてしまいます。
ですが、地方の時間の流れ、人の流れ、情報の流れは、もっともっとゆっくりです。
妻の実家に帰省したときに、東京と地方との違いについて、少し考えてみました。

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※山形新幹線の車内より撮影

何でも東京が基準となる不思議

テレビや新聞、それに私の仕事である税理士業も、全て東京が基準となっています。
私自身、恥ずかしながら、東京生まれ、東京育ちのため、東京以外を知りません。
この度、結婚を機に、妻の実家がある山形県に、妻と一緒に帰省しました。
1人旅行で東京を離れることはありましたが、他の家族の家に泊まるのは、幼少期以来、ほぼ始めてです。

ここから、感じるところを書いてみたいと思います。

東京は全てが高い

東京は物価が高い。
これは、どなたもお感じのことだと思います。

物価が高いということは、お金が集まります。
お金が集まると言うことは、そのお金目当てのために、色々なモノ、情報、仕事が集まることになります。
そして、とにかく、情報、仕事とも、スピードが最重要となります。
そのため、どんな仕事の人も、毎日、大変なプレッシャーのなかで生きていくことになります。

インターネットが情報格差を埋めたが・・・

「インターネットが世界を変えた」という人がいます。
確かに、一面の真実ではあります。今や、インターネットには、様々な情報が無料で溢れています。

私の仕事で例えると、国税庁のホームページでしょうか。
国税庁のホームページには、20年前であれば考えられないほどの、多くの質疑応答事例が掲載されています。これで簡単な税務情報は、だいたい分かってしまいます。

ですが、難しい税務情報は、インターネットで調べることはできませんので、有名な講師が開催する税務セミナー等に出席することになります。これらのセミナーの多くは東京で開催されています。

また、実際にサービスを受ける職種(医業、食事等)でも同じ事です。情報だけでは解決しませんので、やはり東京に行く必要があります。

これからの、東京での開業

ですが、その日本の中心地、東京でも衰退は始まっています。

現に、東京でも、新規法人設立数は減っているそうです。

先日、日本政策金融公庫(政府系の中小企業専門の融資機関)の説明会に参加したのですが、私の事務所がある東京都中央区でさえ、法人設立数が減少し、廃業も多いため、法人数は減る一方だそうです。

これから、東京で開業するには、次のような特徴、スキル、業種になるのかなと思っています。

  • 個人の専門スキルが生かせる職種
  • 大手では対応できない業務

代表的なものが、個人のカリスマシェフが開く、こじんまりとしたフレンチ・イタリアンのお店でしょうか。
これらの飲食店は、大手ファミリーレストランでは出すことの出来ない、美味しく、かつ、リーズナブルな料理を提供できます。
そのために、オーナーシェフの専門スキルが必要になるのです。
(ちなみに、私の最近のお気に入りは、ここのお店です)

また、私の仕事である税理士業も、同じ事が言えます。
税理士業は、個人のスキルに頼るところが大きく、大量生産できない(大手では対応できない)と言われていました。
ですが、簡単な税務情報であれば、国税庁のホームページで分かりますし、会計帳簿入力も、通帳自動取り込み等によって、どんどん簡略化されています。

そのため、税務情報だけ分かる税理士では、今後、淘汰されてしまうことでしょう。
私が心掛けているのは、次の点になります。

  • お客様のお悩みを受け止め、自分の事のように考える
    ・・・かなりのパワーを使います。
  • 不動産等の資産形成方法について、考える
    ・・・悪徳不動産屋の投資勧誘からお客様をお守りします。
  • 節税だけに走らず、家族みんなが仲良く暮らせる方法を考える
    ・・・結局、最後に助けてくれるのは家族だけです。

この辺りの考え方は、税理士ごとによって差が出ます。
利益追求型の税理士先生もいらっしゃいますし、業務効率追求型の税理士先生もいらっしゃいます。
どのタイプの税理士先生にお願いするのが良いのか?
それは、お客様自身の選択から始まります。ですから、税理士を決めるには、色々な税理士先生に会ってみた方が良いかもしれません。

家族みんなが、仲良く暮らせる方法を考える。
税理士には、顧問先のご家族様の情報が集まります。
どうすれば、仲良く暮らせるのか?
どうすれば、みんな幸せになれるのか?

それを相談できるのも、税理士の強みだと思っています。

とりとめのない話になってしまいましたが、山形の雪の中から、ふとそんなことを考えてみました。

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