申告書を税務署へ持参した方がよい場合

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さる3月14日、税務署へ申告書(税金の計算結果をまとめた書類)を直接提出しに行きました

いまの時期に提出する書類は、次の2つになります。

  1. 所得税の確定申告書
    提出期限・・・2月16日~3月15日
  2. 消費税の確定申告書(個人事業者の場合)
    提出期限・・・3月31日
  3. 贈与税の確定申告書
    提出期限・・・2月1日~3月15日

個人事業をされている方は、主に1と2を。
不動産賃貸業をされている方は、1を(消費税の納税義務がある方は2も)
そして資産家の方は3を、それぞれ提出します。

ところで、書類の提出方法にはいくつかの方法があります。

  • A:直接持参して提出する
  • B:郵送で提出する
  • C:電子申告で提出する

それぞれ一長一短があります。

A:直接持参して提出する

この方法のメリットは、確実に収受印(税務署が書類を受け取ったというハンコ)を押してもらえることにあります。

資産家の方や不動産オーナー様の確定申告書には、申告書に色々な書類をつけることになります。
不動産を売却した場合は「譲渡所得の内訳書」、国外に預金をお持ちの方は「外国税額控除に関する明細書」、国外に多くの財産をお持ちの方は「国外財産調書」、さらには所得2,000万円超かつ資産3億円以上の方は「財産債務調書」・・・。

これら全てに収受印のハンコを確実に押してもらいたい場合は、やはり直接税務署に提出した方が安心になります。
特に、「外国税額控除に関する明細書」は、税務署のマニュアルですと、基本的には収受印を押さない書類となっています。
ですが、この書類を提出しませんと、外国税額控除の摘要を受けられませんから、こちらとしても心配になります。

ですので、税務署に直接提出に行けば、収受印が押されない書類にも押してもらえて、安心ということになります。
(税務署員によっては、押してくれない場合もありますが・・・)

ですが、一番のデメリットは、移動時間です。
この忙しい時期に、直接提出に行く時間がない。そのような税理士先生も多いと思います。
事務員さんに行ってもらうという方法もありますが、内容を理解している書類作成者(=税理士)でないと、万が一、質問されたときに不安なんですよね・・・。

B:郵送で提出する

この方法のメリットは、「確実性+時間短縮」にあります。
簡易書留や、赤のレターパックで提出しますと、配達の記録が残ります。
さらには、税務署は受取時に受け取りのサインをしますので、万が一、税務署の方で書類を紛失しても、きちんと提出したものとして取り扱われます。
デメリットとしては、郵送費用でしょうか。
最近の税理士事務所では、簡易書留ではなく、赤のレターパックで提出することが多くなっています。
理由は簡単で、ポストにそのまま投函できるからなんですね。
(郵便局に行かなくてもいいんです)
ですが、赤のレターパックは500円ですから、結構高い。
さらには、弊事務所は万全を期すために、同封する返信用封筒にも、赤のレターパックを使っています。
そして、同封前に、レターパックの番号を控えておきます。
こうすることによって、税務署がきちんと返送してくれたか、追跡することができるんですね。
これは実際にあったことなんですが、大昔、税理士事務所に勤務しているときに、税務署から申告書の控えが返送されてこないことがありました。
税務署に電話すると、
「書類を受け取ったという記録は残っているんですが、返送したという記録がありません・・・」
ということで、どうやら、税務署の方で書類を紛失してしまったらしいのです。
この経験を踏まえ、弊事務所では、返信用封筒にも赤のレターパックを使っています。
費用的には高くなってしまいますが、お客様の大切な情報を扱っておりますので、とても大切なことだと思っています。
(ちなみに、税理士十数人が集まる席で聞いたところ、ほとんどの先生が、返信用封筒は普通郵便だとのことでした・・・)

C:電子申告で提出する

電子申告とは、インターネットで申告書データを送信すると言うことです。
インターネットと聞くと、情報漏洩が心配になりますが、データは暗号化されて税務署に送られるので安心です。

電子申告ですと、郵便と違って、その場で提出が完了します。
(税務署からは、何時何分何秒に提出したという完了通知のメールが来ます。)

この方法ですと、送信済みのデータを印刷し、お客様に返却するだけでいいので、郵便費用の削減につながります。
(税理士事務所としては、嬉しい制度です)

ですが、1つだけ問題があります。
それは、「添付書類を一緒に送信できない」ということです。

例えば、不動産を売って税の特例を受けた、といった場合には、申告書と一緒に登記簿謄本等の原本(コピーではダメで役所から発行された書類原本)を提出する必要があります。

平成28年半ばより、電子申告で申告書を送信する際に、これら添付書類をPDFファイルで添付送信できるようになりました。
ですが、PDFファイルで提出した場合、税務署は後日、確認のために原本の提出を求めることができるとなっています。

そうなると、後から電話がかかってきて、
「**の書類の原本を、改めて提出してもらえませんか?」
と言われ、再度の提出を求められるよりも、最初から原本を郵送で送った方がいいことになります。
ですので、電子申告で税の特例を受ける場合は、

  • 電子申告で申告書本体を送信
  • 郵送で添付書類の原本を郵送し、受領印をもらう

ということで、結局、郵送が必要となってしまうことがあります。
これでは、電子申告の意味が薄れてしまうと思うのですが・・・。

前置きが長くなりましたが、3月14日に、某税務署に提出に行ってきました。
税務署内は混雑しており、提出に20分ほど待たされました。
早起きして、朝8:30(税務署の開店時間)に提出しようと思ったのですが、色々細かな仕事が入ってしまい、結局、11:00頃になってしまいました。

この仕事は、数字に強いだけではダメです。相手がお役所なので、常に細心の注意が求められます。
提出が1日でも遅れたら、すぐに罰金がかかってしまいます。
さらには、書類の発送、受取にも注意しましょう。
念には念をいれて、仕事に臨む。この姿勢が大切だと思っています。

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