不動産管理会社がいる場合・いない場合について考える

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不動産は主に事業系(事務所・店舗・オフィス)と、住居系(賃貸アパート・マンション)に分かれます。

小規模な物件の場合、管理会社がいない場合(不動産オーナー自身が管理・清掃する場合)があります。

税理士は、どうしても不動産オーナー側の視点に立ちがちですが、実際家賃を払ってくれているのは入居者となりますから、入居者がどのように考えているか、いわば入居者目線での考え方を知る必要があります。

今回は不動産管理会社がいる場合、いない場合について考えてみたいと思います。

※現在の事務所入口にて、娘と撮影。

管理会社がいないデメリット

事務所系、住居系、それぞれの管理会社は、主に次のような仕事をしています。

  1. 入居者からの対応(苦情・トラブル)
  2. 定期清掃(外部に発注する場合もあり)
  3. 修繕・点検

私が考えるに、入居者の満足度を考えるのであれば、管理会社は必要です。

例えば、オフィスを借りて、上の階の会社からドンドン物音がする、隣の部屋の人がうるさいといった場合、管理会社に連絡すれば、どこから苦情が寄せられたか具体的に言わず、ぼかした言い方で、やんわりと指導してくれます。

これに対し管理会社がいない場合(言い換えればオーナーが自分で管理している場合)、オーナーに直接苦情を言うわけです。

オーナー側に配慮がなかったり、不動産管理に慣れていなかったりすると、他の入居者へ適切なアドバイスをしてくれないことがあります。
また、「どこの部屋の誰々さんから苦情がありまして」と、誰から苦情があったか言ってしまうこともあります。

これが、管理会社がいない最大のデメリットだと思います。

管理会社がいない場合のメリット

逆に、管理会社がいない場合のメリットも、少なからずあるでしょう。

最大のメリットは、何と言っても管理手数料がかからないということです。

通常、事務所系、住居系のいずれであっても、家賃の約3%から10%程度の管理料を取られるでしょう。
※管理業務の作業量・内容によって手数料が変動します。

また、清掃も依頼している場合は、管理会社に提携している清掃会社に頼むこととなり、直接、清掃会社に依頼するよりも割高となっている可能性もあります。

これらの費用が節約できるというのがメリットです。

また、不動産管理に慣れたオーナーであれば、物件の状況も逐一分かるわけですから、不動産にある程度詳しく、かつ、物件近くに住んでいるといった不動産オーナーは、管理会社に依頼しないというのも手でしょう。

ですが、やはり入居者にとって、大家さんに直接苦情を言うというのはハードルが高いものです。ですから管理料を払わないまでも、一定の金額(年間数万円~数十万円)を、懇意にしている地元不動産業者に払い、苦情の連絡先となってもらう、という対応をすべきでしょう。
※幸い、私がお世話になったオーナー様には、とても良くして頂いたので、このような問題点は起きませんでした。本当に感謝しかありません。ただし、そのようなオーナー様は希ですから、通常は、入居者が不動産業者へ連絡できるようにしておく方が無難といえます。

大家さんが良き相談相手を得るためには

私自身、管理会社がいる事務所、いない事務所の両方を借り、実家が過去に賃貸不動産(事務所ビル)を保有していたこともあります。
また、お客様の物件、実家の物件のトラブル時には、様々な対応(弁護士先生への紹介、不動産業者との同席)もしてきました。

そのような経験から考えると、大家さんにとって、様々な立場からアドバイスできる人間が必要だと思います。
普通は、それが「親切な地元の不動産業者」なり「税理士」だったりするんでしょう。

ただし、不動産業者や税理士も、お客様を選ぶ権利があります。

若輩者の私が言うのも何ですが(^^ )、アドバイスを聞かない、きちんと挨拶ができない、(ミスではないのに)細かな揚げ足をとってくる、といった大家さんも、なかにはいらっしゃいます。
そのような大家さんには、良い不動産業者、良い税理士は、依頼をお断りすることもあるでしょう。

ですから、大家さんが「お金を払っているんだから!」という姿勢ですと、負の循環(お金目当ての不動産業者・税理士に依頼する→将来的にお金や資産がなくなる)に陥ることになるでしょう。

管理会社をきっかけに色々と考えてみましたが、不動産運用はこのような細かな検討事項の積み重ねで、十数年後に大きな差が生まれます。
日々、問題点を探し、検討してみる必要がありますね。

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